AdWords専用転送電話番号を使ってみた!電話CV計測のメリットと注意点

AdWords専用転送電話番号を使ってみた!電話CV計測のメリットと注意点

2018年1月、「AdWords専用転送電話番号」が日本で使用できるようになっていたことをご存知でしょうか。
AdWords専用転送電話番号は、数年前から日本以外の他国で使用できるようになった機能ですが、2018年1月に日本対応となりました。
(私が知る限りでは、日本対応に関してGoogleからは公式発表がありません)

これまで、AdWords経由の電話番号のタップ数は計測することが可能でしたが、この機能により、電話の発信数も計測することができるようになります。
早速、AdWords専用転送電話番号を一部の機能を試験的に設定して、どのようなものなのかを検証してみました。

ここでは、AdWords専用転送電話番号の概要と、実際に使用して得られたメリットとデメリット・注意点、そして、設定方法までご紹介します。
これからAdWords専用転送電話番号の導入をお考えの方にとって、特に「デメリット・注意点」の部分は、事前に知っておくべき内容かと感じていますので、是非、参考にしていただければ幸いです。

※本記事のスクリーンショットや検証結果は、2018年3月上旬~4月上旬 にかけて取得したものです。今後のAdWordsのアップデートにより、情報が異なるケースも出てきますので、ご了承ください。

AdWords専用転送電話番号とは

まず、AdWords専用転送電話番号とは、どのような機能なのか、全体像を解説します。

AdWords専用転送電話番号は広告経由の電話コンバージョンを計測できる機能

AdWords専用転送電話番号は、AdWords広告経由の電話コンバージョンを計測できる機能です。

今までは、電話番号をクリック・タップされた件数を計測することができました。
しかし、あくまでクリック・タップされた件数のため、本当に電話を発信したかどうか、その電話が有効なお問い合わせだったのかどうかを計測することは、通常のAdWordsの機能では計測できませんでした。

クリック・タップだけでなく、実際に電話が発信されたのかどうか、通話時間は何分何秒だったのか、なども計測できるようになったのが、AdWords専用転送電話番号です。

AdWords専用転送電話番号を使用すると、以下のような仕組みで、電話コンバージョンを計測できるようになります。

広告主が使用している電話番号が、AdWords専用転送電話番号(Googleの用意した専用の電話番号)に置き換わる

AdWords専用転送電話番号に対して検索ユーザーが電話を発信する

AdWords専用転送電話番号から広告主が使用している電話番号へ電話が転送される
※AdWordsレポート画面で、電話発信の件数、通話時間などが閲覧できる

なお、2018年4月時点では、検索キャンペーンにのみ対応しており、ディスプレイキャンペーンでは使用できません。

AdWords専用転送電話番号で計測できる電話の種類

続いて、どのような電話番号に対する電話発信をAdWords専用転送電話番号によって計測できるのかをご紹介します。
計測できる電話番号は、主に、以下の3種類です。

(1)電話番号表示オプションで表示している電話番号
(2)電話専用広告(電話専用キャンペーン)で表示している電話番号
(3)広告のランディングページで表示している電話番号

今回、本記事では、「(1)電話番号表示オプションで表示している電話番号」に対してAdWords専用転送電話番号を実際に設定して、検証してみた結果から得られたメリット・デメリットをご紹介していきます。

電話番号表示オプションバージョンのレポート機能

電話番号表示オプションで表示している電話番号を、AdWords専用転送電話番号によってコンバージョン計測設定して、どのような機能なのかを検証しました。
本記事内では、この設定を電話番号表示オプションバージョンと表記します。

なお、行った検証は、機能面に対する検証です。
実際に広告配信を行い、自分で広告をタップして、電話を発信した検証結果になるため、パフォーマンス視点での分析は含めておりません。

電話番号表示オプションバージョンでは、以下のような流れで電話コンバージョンを計測できます。

広告主が設定している電話番号表示オプションの電話番号をタップしたとき、AdWords専用転送電話番号に発信される

AdWords専用転送電話番号から電話番号表示オプションの電話番号へ転送される

本章(2章)では検証結果から得られたレポートのデータ一覧をご紹介し、その後、検証を踏まえて感じたメリット(3章)と、デメリット・注意点(4章)を解説していきます。

電話番号表示オプションバージョンで得られた電話コンバージョンデータ

下図が、電話番号表示オプションバージョンで得られた電話コンバージョンに関するレポート画面です。

電話表示オプション-電話コンバージョンレポート

画像内の項目を、左から順番に一つずつ解説していきます。
なお、項目はデフォルトで表示されていたものになります。他にも表示項目を変更することで、「曜日」や「品質スコアに関する指標」なども閲覧できます。

開始時間

検索ユーザーが電話を発信した時間です。

終了時間

通話が終了した時間です。

時間(秒)

AdWords専用転送電話番号によって通話していた時間(秒)です。

発信者の国コード

検索ユーザーが電話発信した国の、国際電話番号の国番号です。日本の場合は、「81」です。

参考:ウィキペディア 国際電話番号の一覧

発信者の市外局番

AdWords専用転送電話番号に発信した検索ユーザーの電話番号の市外局番です。
「市外局番」なので、発信者の電話番号がすべて表示されるわけではありません。また、非通知の場合は空欄となります。

ステータス

広告主側がAdWords専用転送電話番号から転送された電話に応答できたのか否かが表示されます。

通話の発生元

「広告」もしくは「ウェブサイト」のどちらかが表示されます。
AdWords専用転送電話番号で計測できる電話の種類】の3種類に対して、以下のように表示されます。

「広告」と表示されるケース
(1)電話番号表示オプションで表示している電話番号
(2)電話専用広告(電話専用キャンペーン)で表示している電話番号

「ウェブサイト」と表示されるケース
(3)広告のランディングページで表示している電話番号

※「通話の発生元」に関しては、AdWords公式ヘルプ・管理画面ともに明記されていなかったため、AdWordsサポート窓口に問い合わせして確認した結果です。

通話タイプ

「モバイル Click-to-Call」もしくは「手動ダイヤル」のどちらかが表示されます。
AdWords管理画面では、下図のように解説されています。

通話タイプ

キャンペーン

電話番号表示オプションが表示されて、電話発信を獲得したAdWordsのキャンペーン名です。

広告グループ

電話番号表示オプションが表示されて、電話発信を獲得した広告グループ名です。

検索キーワード

電話番号表示オプションが表示されて、電話発信を獲得したキーワードです。
ここでのキーワードは、検索ユーザーが実際に検索した検索語句ではなく、AdWordsに設定している入札キーワードを指します。
つまり、検索語句が紐づいた入札キーワードのことです。

広告

電話番号表示オプションが表示されて、電話発信されたときに表示されていた広告文です。

電話コンバージョンレポートは「通話データの詳細」から取得する

電話コンバージョンの詳細レポートは、以下の箇所から簡単に確認できます。(AdWordsリニューアル版管理画面の場合)

画面右上の、グラフアイコンをクリックして、「事前定義レポート(旧[詳細分析])」を選択。

事前定義レポート

「基本」を選択後、「通話データの詳細」を選択することで、電話コンバージョンに関する詳細レポートを取得できます。

通話データの詳細

表示項目をカスタマイズしたいときは、画面右上のアイコンをクリック。

表示項目のカスタマイズ

「追加」という箇所をクリックすると、追加できる指標が複数表示されるので、表示させたい指標を選択してください。

表示項目の追加

電話番号表示オプションバージョンのメリット

それでは、電話番号表示オプションバージョンの機能を検証して感じたメリットを、4つご紹介していきます。

3-1.電話番号のタップだけではなく、電話発信の詳細まで取得できる
3-2.より正確な費用対効果を把握して広告運用に活用できる
3-3.電話コンバージョンを自動入札機能(AdWordsスマート自動入札)に適用できる
3-4.通話料は広告主に請求されない

電話番号のタップだけではなく、電話発信の詳細まで取得できる

1つ目のメリットは、まず何と言っても、電話番号のタップだけではなく、実際に電話発信されたのかどうか、その他の詳細データも取得できる点です。

電話番号表示オプションバージョンで得られた電話コンバージョンデータ】で記載した通り、通話の開始時間や、通話時間は何秒だったのか、電話コンバージョンを獲得したキャンペーン・広告グループ・広告文、そして、キーワードまで取得することができるのが、非常に大きな魅力です。

特に、キャンペーンからキーワードの階層まで、これまで可視化できなかった電話お問い合わせへの貢献度がよく分かるようになります。

今回は、電話番号表示オプションバージョンの検証結果で、キーワード単位まで把握できました。
しかし、【AdWords専用転送電話番号で計測できる電話の種類】の「(3)広告のランディングページで表示している電話番号」に該当する場合は、キーワード単位まで把握できない可能性があります。
詳細は、下記の公式ヘルプページ「表示項目に表示される一般的な通話データ」をご確認ください。

参考:AdWordsヘルプ 通話レポートデータの分析

より正確な費用対効果を把握して広告運用に活用できる

2つ目のメリットは、より正確な費用対効果を把握して広告運用に活用できる点です。

1つ目のメリットで記載した通り、電話番号表示オプションバージョンでは、キーワード単位で電話コンバージョンを把握できます。
どのキーワードで電話コンバージョンを獲得できているか可視化できることで、正確な費用対効果を把握できて、広告パフォーマンス改善に活用できます。

例えば、お問い合わせフォーム送信コンバージョンを設定していて、キーワードAを入札しているとします。
キーワードA経由のお問い合わせフォーム送信コンバージョンは0件で、費用対効果が悪い状況です。
ところが、電話番号表示オプションバージョンを設定したところ、キーワードA経由で電話コンバージョンが発生していることが判明しました。
もし、電話コンバージョンを可視化できていない状態で、費用対効果が悪いからという理由でキーワードAを停止してしまっていたら、電話のお問い合わせが減ってしまう可能性もあります。

特に、鍵の紛失対応サービスや、水漏れ対応サービスなど、緊急度の高いサービスでは、電話でのお問い合わせが多い傾向にありますので、キャンペーン・広告グループ・広告文・キーワード単位での電話コンバージョンを含めた費用対効果を把握できる点は大きなメリットではないでしょうか。

電話コンバージョンを自動入札機能(AdWordsスマート自動入札)に適用できる

3つ目のメリットは、電話コンバージョンを自動入札機能(AdWordsスマート自動入札)に適用できる点です。

自動入札機能とは、入札単価を手動で調整するのではなく、AdWordsシステムが自動で最適な入札価格へと調整してくれる機能です。

電話コンバージョンを自動入札機能のデータに適用できることで、AdWordsシステムが判断できるデータ母数が多くなります
データ母数、つまり、コンバージョンデータが多くなることで、より精度の高い自動入札が働くようになると、私は考えています。

以下の公式ヘルプページに、自動入札機能において、最大限の成果を得るためには、過去30日間に30回以上のコンバージョンを獲得していることを推奨している旨が明記されています。

参考:AdWordsヘルプAdWords スマート自動入札について

したがって、ウェブサイト上でのお問い合わせや資料請求のコンバージョン数にプラスして、電話コンバージョンも自動入札機能に適用できることで、最大限の成果を得る可能性が高くなると考えています。

なお、電話コンバージョンを自動入札機能に適用するか否かは、設定画面で選択することができます。

通話料は広告主に請求されない

4つ目のメリットは、通話料は広告主に請求されない点です。

AdWords専用転送電話番号から、広告主が使用している電話番号へ転送することで、電話コンバージョン計測と詳細データ取得を実現しています。
転送したときに発生する通話に対する通話料(電話料金)はどうなるのでしょうか?

結論、日本の場合、広告主に請求されません。
2018年4月時点で、公式ヘルプページには明記されていないため、AdWordsサポート窓口に問い合わせて回答をいただきました。

日本の場合、AdWords専用転送電話番号には、必ず0800番号が表示されます。
後述の【常に同じAdWords専用転送電話番号を使用できるわけではない】でも検証結果を記載していますのでご参照ください。

AdWords専用転送電話番号0800番号への発信にかかる費用は、検索ユーザー・広告主ともに請求されません。
かかる費用は、電話番号表示オプションをタップされたときのクリックコストのみ、ということです。

なお、AdWordsの旧管理画面では、「通話費用」という項目が存在していたのですが、リニューアル版の管理画面では、「通話費用」という項目自体が存在していません。

以上のことから、AdWords専用転送電話番号を使用して電話コンバージョンを計測する上で、通話料は発生せず、通常のクリックコストだけで計測できるのは、広告主にとって嬉しい点です。

電話番号表示オプションバージョンのデメリット・注意点

続いて、電話番号表示オプションバージョンの機能を検証して感じたデメリット・注意点を3つご紹介していきます。

4-1.電話番号表示オプションで表示されている番号が置き換わるわけではない
4-2.常に同じAdWords専用転送電話番号を使用できるわけではない
4-3.広告主は発信者番号を知ることはできない

これから電話番号表示オプションバージョンを実装して広告配信を検討されている方にとっては、事前に知っておくべき内容ですので、是非、参考にしていただけると嬉しいです。

電話番号表示オプションで表示されている番号が置き換わるわけではない

1つ目のデメリット・注意点は、電話番号表示オプションで表示されている番号が置き換わるわけではない、という点です。

これは、Google検索結果画面に表示された電話番号表示オプションの電話番号は、広告主の電話番号のままで、タップすると発信先がAdWords専用転送電話番号に置き換わる、ということです。

文章だと分かりにくいので、実際の検証画面でご紹介します。
(AdWords専用転送電話番号は一部の数字をグレーで隠しています)

電話番号表示オプションをタップしたとき

左側の図:電話番号表示オプションで03番号に、AdWords専用転送電話番号を設定したケース

このとき、検索結果画面に表示された電話番号表示オプションは、広告主の03番号のままでした。
03番号をタップしたときに、AdWords専用転送電話番号の機能によって置き換えられた0800番号へ発信する仕組みでした。

右側の図:電話番号表示オプションで0800番号に、AdWords専用転送電話番号を設定したケース

このとき、検索結果画面に表示された電話番号表示オプションは、広告主の0800番号のままでした。
広告主の0800番号をタップしたときに、AdWords専用転送電話番号の機能によって置き換えられた0800番号へ発信する仕組みでした。

表示されている電話番号をタップしたのに、違う電話番号へ発信されてしまうので、人によっては違和感、もしくは、電話発信を躊躇してしまうのではないかと、私は感じています。

常に同じAdWords専用転送電話番号を使用できるわけではない

2つ目のデメリット・注意点は、常に同じAdWords専用転送電話番号を使用できるわけではない、という点です。

これは、電話番号表示オプションをタップしたときに発信先で表示されるAdWords専用転送電話番号は、ずっと同じ番号を使用できるわけではありません。つまり、変更・再割り当てが発生してしまうのです。

AdWords公式ヘルプページにも、重要事項として明記されています。

adwords公式ヘルプ重要事項

出典・引用:AdWordsヘルプ 通話レポートについて

検証結果のスクリーンショット4枚をご覧ください。
(AdWords専用転送電話番号は一部の数字をグレーで隠しています)

専用転送電話番号が変更される

電話番号表示オプションの設定はすべて同じで、広告主の0800番号です。
以下の流れで検証して得た結果になります。

(1)8:14に検索してタップしたら、AdWords専用転送電話番号は「0800 826 XXX6」
(2)ブラウザを落として、再度、新規ブラウザを開いた
(3)(2)のブラウザで8:15に検索してタップしたら、AdWords専用転送電話番号は「0800 822 XXX4」
(4)ブラウザを落として、再度、新規ブラウザを開いた
(5)(4)のブラウザで8:16に検索してタップしたら、AdWords専用転送電話番号は「0800 821 XXX3」
(6)ブラウザを落として、再度、新規ブラウザを開いた
(7)(6)のブラウザで8:17に検索してタップしたら、AdWords専用転送電話番号は「0800 824 XXX0」

毎回、AdWords専用転送電話番号が変動していました。

念の為、以下も検証してみました。
4月23日:電話番号表示オプションバージョンのAdWords専用転送電話番号をタップして発信
4月24日:23日に発信したAdWords専用転送電話番号へリダイヤル発信 ⇒ 23日と同じ広告主の電話番号へつながった

検証では、同じ電話番号へつながりましたが、公式ヘルプには「変更や再割り当て」と記載されている通り、もしかしたら、ユーザーが一度発信したAdWords専用転送電話番号へリダイヤルしたとき、別の企業へ電話がつながってしまうケースも起こり得るのではないかと考えています。

以上のことから、デメリット・注意点の一つにあげさせていただきました。

広告主は発信者番号を知ることはできない

3つ目のデメリット・注意点は、発信者番号を知ることはできない、という点です。

電話番号表示オプションバージョンで得られた電話コンバージョンデータ】でご紹介した通り、広告主が得られるデータは、電話発信者の「市外局番」のみです。
非通知の場合は、レポートが空欄で表示されます。

レポートには、市外局番のみの表示ですが、実際に電話が鳴っている間、広告主の電話機のナンバーディスプレイには、どの電話番号が表示されるのか? を、検証しました。

結論、私が行った複数回の検証では、ナンバーディスプレイは、すべて「非通知」と表示されました。

以上のことから、広告主は電話発信者の電話番号を知ることはできません。
もし、電話発信者の連絡先を聞き忘れてしまうと、折り返し電話できない状況となってしまうので、注意が必要です。

電話番号表示オプションバージョンの設定方法

最後に、電話番号表示オプションバージョンを使用するための設定方法を、AdWordsリニューアル版 管理画面を用いて、ご紹介します。

設定は、大きく分けて2種類から構成されていますが、設定自体は非常に簡単です。

5-1.電話件数をコンバージョンとして設定する
5-2.電話番号表示オプションでAdWords専用転送電話番号機能をオンにする

電話件数をコンバージョンとして設定する

まず、電話件数をコンバージョンとして設定します。

画面右上のツールアイコンをクリック(下図の1番)、「コンバージョン」を選択(下図の2番)

コンバージョン設定

青い+アイコンをクリック。

コンバージョン追加ボタン

「電話件数」をクリック。

電話件数

「電話番号表示オプションを使用した広告や電話専用広告でのコール コンバージョン」を選択して、「続行」をクリック。

電話コンバージョンの種類

続いて、電話コンバージョン設定に必要な事項を入力・選択していきます。

コンバージョン名-カテゴリ-値

コンバージョン名
この電話コンバージョンに対する名前を入力する欄です。
AdWords専用転送電話番号を使用した電話番号表示オプションの電話コンバージョンということがわかるような名前を推奨します。

カテゴリ
下記の4種類から、広告主の電話コンバージョンに最も近いカテゴリ・電話の属性を選択します。
————-
販売促進
購入/販売
申し込み
その他
————-


1回の通話に対して、いくらの価値があったとみなすのかを設定することができます。
デフォルトでは、「米ドル」が表示されていますが、「日本円」も選択できます。
値に関しては、公式ヘルプもあわせてご参照ください。

参考:AdWordsヘルプ コンバージョン値について

通話時間-計測期間-コンバージョン列

通話時間
コンバージョンとしてカウントする(みなす)ために必要な秒数を設定します。

例えば、1秒だけ電話が鳴って切られてしまった場合、有効な電話コンバージョンとは言えません。
この項目で、「60秒」と設定することで、60秒経過したら、1コンバージョンとしてカウントする、という指定になります。

なお、0秒~9999秒の間で設定できます。

通話時間の選択範囲

計測期間
広告のクリックからコンバージョンを計測し続ける期間を設定します。
1日~60日の間で設定できます。

私は、電話番号表示オプションバージョンにおいて、この計測期間の正しい定義を把握できていません。
おそらく、以下のような設定になるのではないかと考えていますが、検証できたわけではありませんので、参考意見としてお読みください。

(例)
計測期間を、30日に設定。
4月1日に電話番号表示オプションをタップして、AdWords専用転送電話番号への発信画面が表示された。
この時点では、電話発信しなかったが、AdWords専用転送電話番号をメモした。
4月3日にメモした電話番号宛てに電話発信した。
このとき、4月1日のタップに対して、電話コンバージョン1件がカウントされる。

コンバージョン列に含める
この項目を有効にすると、レポート画面の「コンバージョン」列に電話コンバージョンも含まれた数字が表示されます。

例えば、資料請求のコンバージョンと、電話コンバージョンの2種類を設定していて、どちらのコンバージョンも「コンバージョン列に含める」を有効にしていた場合、レポート画面の「コンバージョン」には、2種類のコンバージョンの合計件数が表示されます。

また、【電話コンバージョンを自動入札機能(AdWordsスマート自動入札)に適用できる】でご紹介した、電話コンバージョンを自動入札機能に適用するためには、「コンバージョン列に含める」を有効にする必要があります。

以上の項目の入力・選択完了後、画面下にある「作成して続行」をクリックすると、下図のような画面が表示されて、コンバージョンの設定は完了です。

コンバージョン設定完了画面

電話番号表示オプションでAdWords専用転送電話番号機能をオンにする

続いて、電話番号表示オプションでAdWords専用転送電話番号機能をオンにする設定を行います。

左サイドのメニューから、「広告と広告表示オプション」をクリックして、新規作成で「電話番号表示オプション」を選択。

電話番号表示オプションの追加

電話番号表示オプションの設定画面が立ち上がるので、必要な項目を入力・選択していきます。

電話番号表示オプション入力画面

追加先
電話番号表示オプションは、アカウント単位・キャンペーン単位・広告グループ単位で設定できます。
プルダウンで、どの階層で設定するのかを選択します。

キャンペーン単位・広告グループ単位を選択したときは、どのキャンペーン・広告グループに設定するのか、さらに選択肢が表示されます。

広告表示オプション
「新規作成」もしくは「既存のものを使用」から選択します。

「新規作成」の場合は、広告文と一緒に表示させたい電話番号をここに入力します。
「既存のものを使用」とは、既に電話番号表示オプションを使用していて、既存の電話番号をそのまま使用する設定になります。

通話レポート
AdWords専用転送電話番号を使用するためには、通話レポートを「オン」にすることが必須です。
忘れずに「オン」にしましょう。

コンバージョン数をレポート
電話コンバージョンのカウントを反映させるコンバージョン名を設定します。
電話件数をコンバージョンとして設定する】で作成したコンバージョン名を選択しましょう。

コンバージョン対象の選択

デバイス設定
モバイルというチェックボックスにチェックを入れると、スマートフォンで検索されたときに、この電話番号表示オプションが、他の広告表示オプションと比較して優先的に表示されます。

以上の項目に入力・選択を終えた後、「保存」をクリックして、設定は完了です。

なお、参考までに公式ヘルプページは以下になります。

参考:AdWordsヘルプ 広告経由の通話数を計測する

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は、AdWords専用転送電話番号の内、電話番号表示オプションバージョンに関して、検証し、そこから得たメリット、デメリット・注意点をご紹介しました。

電話番号表示オプションで表示される番号は広告主の番号のままで、タップしたときにAdWords専用転送電話番号が表示される仕様には、やはり抵抗があります。
しかし、電話発信件数や通話時間を計測でき、キーワード単位で費用対効果を より正確に把握できるようになるのは、大きな魅力です。且つ、設定が簡単な点も踏まえて、試しに導入してみる価値はあります。

なお、機会がありましたら、AdWords専用転送電話番号の他のバージョンも検証したいと考えていますので、ご期待ください。

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