リスティング広告の効果測定に必要な6つの指標(KPI)

社内のWeb担当者として、リスティング広告の運用を任されたものの、どの指標に注目すればよいのかわからない、という方もおられるのではないでしょうか。本記事では、リスティング広告の効果測定に必要な指標について詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

リスティング広告の効果測定の重要性

リスティング広告の効果測定の重要性

Web広告にもさまざまな種類がありますが、そのなかでもリスティング広告は比較的高い成果が見込めるという特徴があります。サイトやアプリ等で表示されるディスプレイ広告などと比べ、ユーザーのニーズが顕在化しているタイミングで訴求できるからです。サイト内に表示される広告も、ユーザーのこれまでのアクションやその属性などに応じて配信内容が決定されるため、ある程度ニーズに即したものではあります。

しかし、リスティング広告はユーザー自身がキーワードを入力し、現実に特定の情報を求めている状況で、そのニーズにマッチしたものが配信されますので、よりクリックされる可能性が高まります。

ただし、リスティング広告にもデメリットがないわけではありません。クリック回数に応じて広告費用が発生するため、適切な効果測定が行われていなければ、「十分な成果は得られないまま費用だけかさんでしまう」」といった恐れも生じます。このため、目標を明確にし、達成するために必要な指標を理解した上で、効果を測定していくことが重要なのです。

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リスティング広告の基本的な成果指標

リスティング広告を運用する上で、特に知っておくべき基本的な成果指標に関して解説します。

表示回数(インプレッション)

まずは「表示回数」についてです。「インプレッション」とも呼ばれ、一定期間において広告が表示された回数を表す指標です。

インプレッションが大きければ、多くの人への訴求、あるいは高い頻度での訴求ができていることになりますが、この数値単独では広告効果の評価を下すことは不可能です。その理由は、広告主が掲げている目標に応じて評価が変わるからです。

例えば、認知度を高めることが目的であればインプレッションは大きいほどよいことになります。しかし、売上や申し込みなどの成果を得ることを目的に運用しているのであれば、広告の表示だけではあまり意味がありません。

成果が伴わないインプレッションの増加はコストの浪費につながり、赤字化の原因になります。達成目標に応じた広告費の獲得単価を事前に決定するなどの処置をしなければ、効率的な広告運用は困難です。そのためにも、コンバージョンとのかねあいも考慮しつつ、定期的に効果測定を行いましょう。

クリック率(CTR)

クリック率(CTR)は、広告の表示に対するクリックの頻度を表します。計算式は以下のようになります。

CTR = クリック数/ 表示回数

クリック率は高ければ高いほどよいと評価できます。成果とイコールの関係ではありませんが、高いクリック率があるということは、キーワードの設定や広告そのものの質がよいと考えられるからです。

逆にこの数値がよくない場合には、「キーワード設定」や「広告文」「表示オプション」などを見直す必要があるでしょう。キーワードが適切に設定できていなければ、配信されるユーザーのニーズとマッチしなくなります。

つまり、ユーザーの求めていない状態で、広告が表示されてしまうのです。キーワード選定ツールなども使いつつ、ニーズとのずれが生じないように設定内容を検討しましょう。

また、広告文の内容はクリック率に直結するため、吟味して決定しなければなりません。ページ内のコンテンツがニーズとマッチしていても、ユーザーがそのことに気が付かなければアクセスしてくれないからです。限られた文字数で的確に宣伝できるよう工夫しましょう。

広告表示オプションとしては、例えば電話番号・住所・商品のプロモーションといった追加情報の掲載が有効です。これにより単に情報が増えるだけでなく、広告の表示面積を増やすこともでき、宣伝効果が高まります。

なお、クリック率には掲載位置も大きく影響しますので、入札単価を上げたり、ランディングページの品質を高めたりすることも大切です。

平均クリック単価(CPC)

平均クリック単価(CPC) は、1回あたりのクリックに対して発生する広告費用のことです。コンバージョン数や売上に直結するものではありませんが、最終的な利益にかかわるため、広告の費用対効果を測定する上で重視すべき指標です。

この値が大きいと、それだけ成果達成に必要なコストが大きいことを意味しますので、可能な限り低く抑えつつ、成果数を維持することが求められます。この値を下げる方法としては「上限入札単価を下げる」「キーワードや表示オプションの変更」「品質スコアの改善」「コンテンツターゲティングの利用」などが挙げられます。

上限入札単価を下げれば即座に効果は得られ、平均クリック単価は下がります。不必要に高い設定をしてしまっている場合には容易に改善できるでしょう。しかし、成果も比例して下がってしまうようであれば、別の手段を取る必要があります。キーワードの設定や表示オプションの内容はこの指標においても重要ですし、コンテンツターゲティングも検討する価値があります。

ここで特に注目したいのは「品質スコア」です。入札単価とのかねあいによって掲載順位は上下しますので、良質な広告およびランディングページ等を準備することで、入札単価を下げても上位表示を目指せます。そうすると必然的に平均クリック単価も下げられるのです。

コンバージョン単価(CPA)

コンバージョン単価は、コンバージョン1件に要した費用を表します。この値が小さいと、低コストで高い成果が得られているということを意味するため、必然的に下げるべき数値だと言えます。コンバージョン単価を下げる代表的な方法には、以下のようなものです。

  • 無駄なクリックを減らす
  • コンバージョンにつながるキーワードでのインプレッション、クリック数を増やす
  • 広告文やキーワードの設定と、ランディングページとの親和性を高くする
  • ランディングページの質を上げる

リスティング広告の売上に関わる成果指標

成約件数や購入件数などは重要な指標ですが、今後広告にどれほどの投資を行うのかといった具体的な評価をするためには、売上金額にも注目する必要があります。そこで、売上に関する成果指標に関しても把握しておきましょう。

広告費用回収率(ROAS)

広告に費やしたコストとそれに対する売上を示すものとして、「ROAS(Return On Advertising Spend)」があります。広告費に対し、何%売上を向上させられたのかが把握できるようになるでしょう。これは以下の計算式を用いて算出します。

ROAS = 売上/ 広告費× 100(%)

仮に広告費に100万円を使い、そこから200万円の売上が得られたのであれば、ROASは200%になります。

ROASを改善する方法としては、広告媒体やキャンペーン、ターゲットなどの見直しが有効です。ほかにも、魅力を感じさせるような広告に作り直すなど、クリエイティブの見直しも大切です。

投資収益率(ROI)

ROASと似た指標ですが、「ROI(Return on Investment)」は、費用に対する利益の割合を表すものです。この数値により、採算が取れているかどうかを判断できます。計算式は以下のとおりです。

ROI = 利益/ 広告費を含む投資額× 100(%)

この計算式を見れば、「利益を増やすこと」あるいは「投資額を下げること」によりROIを改善できることがわかります。利益を上げるには、訪問数や広告単価、そしてコンバージョン率を上げることが有効ですので、ランディングページの改善などに取り組むとよいでしょう。

投資額を下げるためには広告費を最適化することが重要です。ターゲット設定を適切に行うことや、広告運用にかかる人件費などの見直しも場合によっては必要でしょう。

まとめ

リスティング広告を運用する上では、ここで解説した指標の管理が欠かせません。具体的な運用方法や広告の効果測定について悩みがある場合、LocalFolio(ローカルフォリオ)の広告運用サービスを利用することもおすすめします。企業による導入実績も豊富なため信頼性も高いですし、豊富な機能を活用できるだけでなく、充実したサポートも受けられますので、ぜひご検討ください。

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