インスタの動画広告とは?成果を出す方法5つと活用事例!

インスタの動画広告とは?成果を出す方法5つと活用事例!

Instagram(通称:インスタ)は、世界で約10億人のユーザーがいるほど高い人気を誇るSNSです。

これまでインスタは、個人が楽しむSNSでした。しかし最近では、ユーザー数が多く拡散力のあるインスタの特性を活かして、企業が商品やサービスをインスタでPRすることも当たり前になっています。

さらに、2015年からはインスタで広告を出せるようにもなったため、企業がインスタを使ってマーケティングを行う機会も増えてきました。「今後はインスタに広告を配信していきたい」と考えているマーケティング担当者も多いことでしょう。

そんなインスタに出せる広告の主なメディア形式には、画像と動画の2種類があります。

どちらもユーザーの心をつかみやすいといわれていますが、今後需要が高まるといわれているのは動画広告であることを知っていますか?

本記事では、インスタの動画広告の概要を解説するとともに、インスタ動画広告の効果を出す5つの方法や活用事例をお教えします。

※本記事のスクリーンショットや公式ヘルプページ情報は、2019年4月時点のものです。今後のアップデートにより、画面が変わる可能性があります。

インスタ動画広告の基本情報

タブレットで動画を観る男性

インスタの動画広告は近年、企業から大きな注目を集めています。なぜなら、現在は動画をスマホなどのモバイル機器でも気軽に視聴できるようになり、動画が身近な存在になりつつあるからです。

インスタを傘下に持つfacebookは、スマホなどのモバイル機器での動画視聴について、次のように言及しています。

  • 2020年までに、スマホなどのモバイルで通信するデータの75%が動画になる
  • 2017年現在、世界規模で見ると過去1年に渡ってfacebookでライブ配信を見る時間は4倍になり、インスタでの動画視聴時間は80%増加している

※facebook business 『動画で人の心を動かしましょう』/『Sight, Sound and Mobilization』の内容を要約

インスタで動画を見るユーザーは年々増える」とfacebookは予想しているのですね。

このような現状があることから、企業はインスタの動画広告を活用して、コンバージョン(商品の購入/サービスへの問い合わせなどの成果)につなげようと試みているのです。

ではここで、インスタの動画広告の基本情報を説明しましょう。

動画広告の配信場所

インスタの動画広告は、次の2か所に配信されます。

1. ニュースフィード

ニュースフィードとは、フォローしているアカウントの投稿を閲覧できる画面です。

インスタアプリでのニュースフィード

インスタの動画広告は、このニュースフィードにフォロー中のアカウントの投稿と一緒に表示されます。

【ニュースフィードに表示される動画広告の例】

ニュースフィードの動画広告のサンプル

ニュースフィードはインスタのアプリを起動して表示される画面であるため、広告がユーザーの目に留まりやすいのが特徴です。

このニュースフィードには、動画の1つでえあるスライドショー(複数枚の画像を使用して作る動画)広告も出せます。

2. ストーリーズ

インスタアプリを起動すると、画面上部に表示されるのがストーリーズです。

インスタアプリでのストリーズ

ストーリーズというのは、フルスクリーンの画像や動画を24時間限定で共有できる機能で、今インスタユーザーの間で人気を博しています。

インスタを傘下に持つfacebookは、このストーリーズに動画広告を掲載することを広告主に推奨しています。

ストーリーズに動画広告を掲載すると、その広告がスマホ画面に占める割合が大きくなるので、ユーザーに強いインパクトを与えることができるからです。

【ストーリーズに表示される動画広告の例】

ストリーズの動画広告のサンプル

ニュースフィードと同様、ストーリーズにはスライドショー広告も出せます。

配信動画の要件

インスタの動画広告は、facebookが提供する「広告マネージャ」というビジネス用ツールで作成して出稿するしくみになっています。

ニュースフィードやストーリーズに出せる動画広告の要件は、次の通りです。

【ニュースフィードの場合】

ニュースフィードの動画広告の要件表

【ストーリーズの場合】

ストリーズの動画広告の要件表

※1. 各アスペクト比の動画イメージは、以下をご参考ください。

動画広告のアスペクト比のイメージ

  • “Full Landscape”:フルスクリーンの横長
  • “Square”:正方形
  • “Vertical”:縦長
  • “Full Portrait/Vertical”:フルスクリーンの縦長

イメージ引用元:facebook business 『配置でサポートされるアスペクト比

※2. 動画内のテキストが動画の20%以上になるとfacebookの広告ポリシーに違反することになり、インスタでの動画配信回数も減らされます(参考:広告ポリシー)。

広告の支払い(課金)方式

動画広告の予算のイメージ

動画広告に限らず、インスタに出す広告は配信する広告ごとに費用(予算)を設定します。

インスタの広告の支払い(課金)方式は、facebook広告の支払い方式と同じで次の5種類があります。

  1. クリック課金(CPC課金)
  2. インプレッション課金(CPM課金)
  3. 動画の10秒再生課金
  4. 動画の2秒以上の継続的な再生課金
  5. アプリインストール課金

これらの支払い方式は、広告マネージャで広告を作成するときに自動的に決まります。

インスタ広告の支払い方式についての詳細は、TENJUKU掲載の以下の記事を参照してください。

広告費用の目安

インスタの広告は、facebook広告と同様、1日100円から出稿できます。

インスタ広告の費用の目安やシミュレーション方法については、TENJUKU掲載の以下の記事で詳しく説明しているので参考にしてください。

※上記の記事ではfacebook広告の費用について解説していますが、インスタ広告にも当てはまります。

インスタ動画広告の効果を出す方法5つ

インスタの動画広告は、「コンバージョンにつなげたい」や「ブランドの認知度を高めたい」といった目的別に作成でき、多くのユーザーに見てもらえる可能性の高い広告媒体です。

そんなインスタの動画広告の効果をさらに高めるには、次の5つのポイントを踏まえて作成すると良いです。

※実際にインスタに動画広告を出すときは、TENJUKU掲載の以下の記事を参考にしてください。
インスタグラム広告の出し方6ステップと注意すべきこと4つ

ニュースフィードには正方形の動画を載せる

正方形の動画広告の例

広告イメージの引用元:Instagram動画広告のベストプラクティス

ニュースフィードに出せる動画広告の3つのフォーマット・横長/正方形/縦長のうち、宣伝効果があるといわれているのが正方形です。

なぜなら、正方形の動画広告は、他のフォーマットの動画広告よりもエンゲージメントを高められる傾向にあるからです。

エンゲージメントとは、商品やサービス、企業とユーザー(消費者)とのつながりの深さを表すマーケティング用語の1つです(※)。ユーザーが商品やサービス、企業に対して愛着を持つほど、このエンゲージメントは高まります。

ソーシャルメディアのマーケティング情報を配信しているアメリカの企業・bufferは、以下のように言及しています。

動画の視聴や、「いいね!」やコメント、シェアといったエンゲージメント、そして競合率の観点から見ると、各ソーシャルメディアでは横長動画より正方形動画の方がすぐれたパフォーマンスを発揮する。

ビデオ視聴においては30~35%、エンゲージメントにおいては80~100%もパフォーマンスが向上したという事例もいくつかある。

翻訳元:Square vs. Landscape Video – $1.5K Worth of Experiments: Here’s How They Compare

また、ユーザーが投稿する動画も、ニュースフィードでは正方形のほうが見栄えが良いと好まれる傾向にあります。

このことから、ニュースフィードに出す動画広告のフォーマットは正方形にすると、ユーザーの印象に残りやすいといえるのです。

※エンゲージメントについて詳細は、TENJUKU掲載の以下の記事で説明していますのでご覧ください。
facebookのエンゲージメントとは?投稿でファンを増やすポイント5つ!

ストーリーズにはフルスクリーン動画を載せる

フルスクリーンの縦長動画広告の例

広告イメージの引用元:Instagramストーリーズのベストプラクティス

ストーリーズに関しては、フルスクリーン動画を広告として出すと効果的です。

なぜなら、フルスクリーン動画にすれば動画広告がスマホ画面いっぱいになるため、ユーザーに訴求内容が伝わりやすいからです。

さらにストーリーズには、このようなデータもあります。

1日に5億のアカウントが利用するInstagramストーリーズ。多くのビジネスが、さまざまな広告の目的でストーリーズ広告を展開し、成果を上げています。

  • 96%…ストーリーズ広告を活用している米国のマーケターのうち、今後6ヶ月間の運用継続を予定している人の割合
  • 1/3…視聴回数が最も多いInstagramのストーリーズの中でビジネスからの投稿が占める割合
  • 50%…instagramを活用している世界中のビジネスのうち、平均月1回以上ストーリーズ投稿を行っているアカウントの割合

引用元:Instagram for Business 『Instagramストーリーズ広告で広がる可能性

こうして見ると、インスタのストーリーズを見るユーザーが非常に多いため宣伝効果を期待でき、多くの企業が注目して動画広告を載せていることが分かりますね。

ストーリーズ自体が、躍動感が出るフルスクリーンで画像や動画をシェアできる機能です。

この特性を活かすためにも、ストーリーズではフルスクリーン動画で広告を出稿するのが良いといえるのです。

長さを15秒以内にする

ニュースフィードでもストーリーズでも、広告として出せる動画の長さは60秒(1分)までです。

通常の感覚だと60秒は短いですが、広告となると話は別です。なぜなら、最大の長さ60秒の動画広告を配信しても、ユーザーはその動画広告を最後まで見てくれない可能性があるからです。

もともとインスタは、画像や動画をメインに楽しむSNSです。このため、長さが短く、訴求内容がコンパクトにつまった動画広告が好まれます。

動画広告の長さは、15秒以内にするのがおすすめです。その15秒以内の動画の冒頭1.7秒で商品やサービスの訴求ポイントを入れると、より宣伝効果を高められます。

見栄えの良い動画を作る

インスタユーザーの多くは、20~40代の女性です。この年代の女性の心をつかむには「インスタ映え」、つまり、画質がキレイで見栄えの良い動画広告を出すことがポイントになってきます。

そこで動画編集・加工アプリを使えば、見栄えが良く女性受けする動画広告を作れます。

インスタのビジネス用ガイド『Instagram for Business』では、動画広告を見栄え良く作れる編集・加工アプリの例として「Boomerang(ブーメラン)」と「Hyperlapse(ハイパーラプス)」の2つを紹介しています。

【Boomerangの特徴】

ブーメランアプリのイメージ

 

  • 短くても印象的な動画作成にすぐれている
  • 実際に宣伝商品を使って魅力をアピールする動画広告など、動きのある動画を印象的に作れる

【Hyperlapseの特徴】

ハイパーラプスアプリのイメージ

 

  • 手ブレを自動補正できる
  • タイムラプス動画(倍速再生した動画)を作れる
  • 商品制作過程(舞台裏)などを流して、その商品をアピールする動画広告に適している

ぜひこうした動画加工・編集アプリを使って、ターゲット層の心に突き刺さる動画広告を作りましょう。

BoomerangやHyperlapseに興味がある方は、Instagram Businessの『Instagram動画広告で顧客にリーチ』をご覧ください。

音声がなくても楽しませる

インスタの動画広告は、音声がなくてもユーザーが楽しめるようなものを作ると良いです。というのも、インスタを見るところは、自宅だけでなく外出先もあるからです。

ストーリー仕立てにして訴求したい内容が分かるようにしたり、キャプション(字幕)を付けて内容を理解できたりする動画はユーザーの印象にも残りやすいので、工夫をして作成しましょう。

字幕付き動画広告の例

イメージ引用元:Instagram for Business 『Instagramストーリーズ広告で広がる可能性

インスタ動画広告の導入事例

最後に、インスタで動画広告を出して成果を得られた企業の事例を3つご紹介します。

スキンケアブランド・SK-Ⅱの事例

SK2の動画広告の例

SK-Ⅱは、大手スキンケアブランドの1つです。日本を代表する女優・桃井かおりさんだけでなく、最近では綾瀬はるかさんや有村架純さんといった若手女優をテレビCMキャラクターに起用して、若い年代の女性をターゲットにしていますよね。

SK-Ⅱが得られた成果は、「ブランドの認知度アップ」です。SK-Ⅱはインスタでも18~54歳と幅広い年齢層の女性をターゲットにし、ブランドの認知度を高める試みをしました。

その目的を達成させるために、インスタのニュースフィードとストーリーズに動画広告を掲載したところ、次のような成果を得られたそうです。

  • リーチ(※)率が30%増加
  • 動画広告が最後まで再生された回数が62%増加

※インスタのビジネスアカウントの投稿がニュースフィードに表示されたユーザーの数

この結果について、SK-Ⅱのブランドマネージャー・Mahak Ambwani氏は、次のように語っています。

Instagramキャンペーンでこれまでと違うアプローチを取ったことが功を奏しました。モバイルニュースフ⁠ィ⁠ー⁠ド広告のパフォーマンスもよかったのですが、Instagramス⁠ト⁠ー⁠リ⁠ー⁠ズ広⁠告のネイティブなス⁠ト⁠ー⁠リ⁠ー⁠テ⁠リ⁠ン⁠グの形が、わが社のキャンペーンを更に際立たせ、広告想起率の上昇につながったと⁠考えています。

Ambwani氏が語っている「ネイティブなス⁠ト⁠ー⁠リ⁠ー⁠テ⁠リ⁠ン⁠グの形」の「ネイティブ」というのは、いかにも「広告」という広告ではなく、あたかもユーザーが投稿したような自然な内容、ということを意味します。

つまりSK-Ⅱは、ユーザーが親しみやすいような動画広告をニュースフィードとストーリーズに配信して成功したのです。

ユーザーの共感を得られるような動画広告作りが大切になってくるのですね。

結婚情報サービス・ゼクシィの事例

ゼクシィの動画広告の例

ゼクシィは、リクルートが提供している結婚情報サービスです。「ゼクシィガール」と呼ばれる毎年違うテレビCMガールを起用し、印象的なCMを放送していることで知られています。

そんなゼクシィがインスタに動画広告を配信して得られた成果は、「アプリインストール増加」と「コンバージョン獲得」です。

ゼクシィは、インスタのストーリーズに以下のような動画広告を掲載しました。

【ターゲット層】
 23~29歳でアプリをインストールしていないプレ花嫁(婚約中の女性)

【動画広告に凝らした工夫】

  • おしゃれに見える手書きの英字でドレスの説明を入れる
  • スライドショー形式で数種類のドレスを紹介する
  • 「紹介したドレスはアプリで見られる」というようなアプリストアへ誘導する文句を入れる

このような動画広告を出した結果、アプリのインストール3.1倍増加と、コンバージョン(式場の見学予約など)率2.1倍増加いう成果を得られたそうです。

ゼクシィは、「ユーザーの多くが20~30代の女性」というインスタの特性をうまく活用して成功したいえますね。

アルバイト情報サービス・バイトルの事例

バイトルの動画広告の例

アルバイト情報サービス・バイトルが得た成果は、「クリック単価低下」と「アプリインストールの増加」です。

バイトルは、アプリのインストールの増加を目指し、若いユーザーが多いインスタグラムに動画広告を出しました。多くの企業がインスタのストーリーズでフルスクリーンの縦長動画広告を出す中、バイトルは次のように対応したそうです。

  • ニュースフィードで正方形の動画広告を掲載する
  • ニュースフィードの正方形動画広告を、インスタの「フルスクリーンサポート」機能を使ってストーリーズに配信する

バイトルがこのような対応をしたのには、次のような理由があったからでした。

ストーリーズの利用者の伸びが急成長していることに注目していたバイトル。接触機会を最大化するため、ストーリーズ広告の配信にも挑戦してみたいと考えていました。一方で、9:16の縦型クリエイティブを数多く供給することが難しい体制であったため、なかなか積極活用ができていませんでした。

インスタのフルスクリーンサポートを使ったことで、もともと宣伝効果のあったニュースフィードの正方形動画広告をストーリーズに配信でき、結果、クリック単価を27%低下させながらアプリのインストール数を増加させることに成功したそうです。

さらに、一度ニュースフィードに掲載した動画広告をストーリーズに共有したことで、新たな広告制作の手間が省けたり、少ない素材であらゆる場所に動画広告を出せたりしたことも、大きな成果となったようです。

インスタには、動画広告の成果を上げるためのすぐれた機能が備わっていることが分かりますね。

まとめ

インスタには画像や動画の広告を出稿できますが、動画広告のほうがユーザーの目に留まりやすいのが特徴です。

その動画広告は目的に合わせて、インスタのニュースフィードとストーリーズに出稿できます。

そして、インスタの動画広告の効果を出すには、次の5つのポイントを踏まえて作成すると良いです。

  1. ニュースフィードには正方形の動画を載せる
  2. ストーリーズにはフルスクリーン動画を載せる
  3. 長さを15秒以内にする
  4. 見栄えの良い動画を作る
  5. 音声がなくても楽しませる

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