病院や歯医者のリスティング広告で気をつけたいポイントや成功法則を紹介

広告運用のなかでも医療広告は難しい分野といわれています。病院がリスティング広告を出す際には、医療広告ガイドラインに沿った適切な広告掲載および運用をする必要があるためです。本記事では、病院や歯医者がリスティング広告で気をつけたいポイントや成功法則について解説します。

リスティング広告とは

リスティング広告とは

リスティング広告とは

リスティング広告は、ユーザーが「Yahoo!」や「Google」のような検索エンジンでキーワード検索した際に、その検索語に関連した分野の広告を表示する広告手法です。たとえば、「糖尿病 病院 新宿」と検索すれば、新宿近辺の糖尿病を扱う病院の広告が表示されます。こういった仕組みであるため、リスティング広告は、「検索連動型広告」と呼ばれることもあります。

リスティング広告は検索した語句と類似性の高い広告を表示するという特性をもっているため、ターゲット層の絞り込みが容易です。リスティング広告を目にする閲覧者は基本的にその広告に関連した事柄に対して何らかの関心をもっている人なので、高いコンバージョン率が期待できるのです。マーケティングにおいてターゲティングの適切さは非常に重要なポイントですが、リスティング広告はこの点において非常に優れた手法といえるでしょう。

また、リスティング広告は、キーワードごとに広告出稿ができる上、キーワードの選定によって広告単価も調整できるため、少額予算から広告運用したい事業者に適しています。広告単価を抑えつつ、いかに高いコンバージョン率を出すか、という点は広告運用担当者の腕の見せ所といえるでしょう。

病院がリスティング広告を利用する際に気をつけたいポイント

病院をはじめとする医療機関の広告は人の命に関わる影響をもたらすこともあるため、他業種の広告に比べて細かい法規制が敷かれています。これはインターネット広告に関しても例外ではなく、平成30年6月に施行された医療法改正において、正式に規制の対象となりました。このため、リスティング広告を利用する際には、こうした各規制を遵守する必要があるのです。以下ではまず、病院リスティング広告を利用する際に注意すべきポイントについて解説していきます。

掲載基準の事前確認

リスティング広告をインターネットに掲載する際には、そのWebサイト全体が厚生労働省の定めた「医療法」および「医療広告ガイドライン」を守っていることと同時に、広告の掲載サイトの掲載基準も満たしている必要があります。たとえば「Yahoo!」における医療広告の掲載基準としては、「日本国内の医療機関であること」、「所在地・連絡先の表示があること」、「医療法および医療広告ガイドラインで規定されている内容を遵守していること」の3点が挙げられます。

https://ads-help.yahoo.co.jp/yahooads/guideline/articledetail?lan=ja&aid=1551

医療広告ガイドラインの主だった内容については下記でも解説していきますが、さらに詳しい内容を確認したい場合は、以下の厚生労働省サイト内にある概要資料やQ&Aなどを参照してください。https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/kokokukisei/index.html

広告表示できる事項を確認

医療広告ガイドラインには、「広告可能な事項」についての説明が記載されています(12頁-31頁)。医療リスティング広告を運用する上では、この各事項も確認・遵守しなければいけません。

規定によれば、医療広告する際には、広告元の医療関係者が医師免許、歯科医師免許、薬剤師免許、看護師免許、その他専門性がある各分野の資格をもっている事実や、その認定団体名などを記載しなければなりません。これ以外に、病院や診療所の名称をはじめ、所在地の住所、電話番号・メールアドレス・ホームページのURLなどの連絡先、診療日や診療時間、予約診療の有無、管理者の氏名などの基本情報を記載することは問題ありません。

要するに、患者が病院を選択する際に役立つ「事実」の情報提供に関しては、厚生労働大臣が許可した一定のルールの下で認められているのです。

このため、医療広告では、その病院で受けられる治療内容等に関しても記載できます。たとえば、治療や手術、健康診断等の方法、手術数、分娩数、平均入院日数、平均患者数等などについての情報は、さまざまな諸条件こそあるものの広告表示が許されているのです。

さらに、広告できるのは自分の病院だけではなく、提携しているほかの医療機関の情報も含まれます。紹介できる医療機関などの名称や、それらの機関と共同で利用する施設や医療機器の情報もここに含まれます。

また、医療広告ガイドラインによれば、患者側が自ら求めて入手する情報であるか否かに従って、広告に記載できる事項が大きく変わるという点には注意が必要です。

広告表示できない事項を確認

医療広告ガイドラインには、広告掲載が不可能な禁止事項についても記載されています(5頁-11頁)。患者に誤解を与えるような虚偽事項や誇大広告、主観的要素が入った広告は禁止されており、加えて広告文・Webサイト双方において使用できない表現等も規定されています。たとえば、専門外来であるということや、死亡率や術後生存率の記載等も禁止されています。また、ほかの病院や診療所等と比べてどちらの方が優秀であるかなどの比較広告をしてもいけません。

限定解除要件について

さまざまな制限が課されている医療広告ですが、「限定解除要件」という項目も定められています(11頁-12頁)。限定解除要件とは、患者が自主的に情報を調べようとしている場合は、適切な情報を円滑に提供することが優先されるべきという考えに基づき、特定の条件を満たしたときに限って、広告に記載できる事項の制限が一部解除されるというものです。

医療広告ガイドラインに記載されている限定解除要件には以下に挙げる4つの要件があります。
(1)患者等が自ら情報を調べた際に、治療の選択について有用であるような情報であること。
(2)患者等がさらに情報を調べたいときに円滑に紹介できるように問い合わせ先を明記すること。
(3)自由診療において必要な治療内容や費用について記載すること。
(4)自由診療に関するリスクや副作用などを記載すること。

リスティング広告に関しては、ユーザーが特定の語句を検索しただけで自動的に表示されるものなので、この限定解除要件に該当すると解釈することは難しいでしょう。ホームページ内ならばユーザーが能動的に情報を調べる環境が整いやすいので、限定解除要件を活用しやすいです。

病院や歯医者におけるリスティング広告の成功法則

ここからは、医療リスティング広告によって高い集患効果をもたらす成功法則について解説していきます。

ユーザーにあったキーワード設定

リスティング広告は指定キーワードを検索したユーザーに表示されます。つまり、医療機関に限らず、リスティング広告を活用する上で第一の関門となるのは、「いかにユーザーに合ったキーワード設定を行なうか」です。言い換えれば、医療リスティング広告においては、「ユーザーがどのように病院を検索するか」を具体的にイメージすることが非常に重要になってきます。

考え方の手順としては、自分の病院や診療所に来院する可能性がありそうな人が検索しそうなキーワードを洗い出し、整理することから始めましょう。いかに「来院につながるキーワード」に予算を集中させることができるかが費用対効果を高める一番のポイントとなります。

広告文の最適化

適切なキーワード設定をすれば、ユーザーの目に広告が留まりやすくなります。しかし、その広告を見て、ユーザーが実際に来院するという行為に移してくれなければ意味がありません。つまり、リスティング広告の第二の関門は、「広告を目にしたユーザーに関心を抱かせるようなテキストをいかに作るか」、「どのような広告ならユーザーにクリックさせられるか」が問題となってきます。医療リスティング広告においては、医療広告ガイドラインを遵守した上で、病院が必要な人に対して何を伝えたら興味をもってもらえるのか熟考した上で、広告文を作ることが大切なのです。もちろん、リスティング広告をクリックした先にあるコンテンツの内容が魅力的であることも重要です。

このように、適切なキーワードと広告文を選定するには、高度な知識とノウハウが求められます。それに加えて、医療ガイドラインの入念なチェックも欠かせません。

もしも院内にそうしたスキルをもった人材が不足しているようならば、まずは長期的目線に立ってマーケティング知識に長けた人材の獲得や育成から始めるか、あるいは外部の広告代理店にリスティング広告の運用を依頼することを検討してみるとよいでしょう。

まとめ

医療リスティング広告は医療広告ガイドラインなどに注意しながら、キーワード設定や広告文の質を高めなければなりません。そのためには、高度なノウハウと運用基盤が不可欠です。

リードプラスは、広告運用サービスを展開しており、医療機関向けの広告運用においても高い実績があります。広告代理店へ医療関連広告を運用依頼することを検討されている場合、ぜひご相談ください。

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