ネイティブ広告とは?種類の特徴やメリット・デメリットを紹介!

SNSのタイムラインやニュースサイトのコンテンツに自然と溶け込む広告を「ネイティブ広告」といいます。ネイティブ広告はバナー広告などに比べ、宣伝感を抑えながら商品やサービスを訴求できるメリットがあります。本記事では、ネイティブ広告の特徴や種類、メリット・デメリットを解説します。

ネイティブ広告とは

ネイティブ広告とは?

ネイティブ広告に明確な定義はなく、WebサイトやSNS、動画プラットフォームなどのコンテンツに自然と溶け込んで表示される広告全般をネイティブ広告と呼びます。

これまでインターネット上の広告といえば、「バナー広告」や、Webサイトを訪問したユーザーを追跡して広告を表示する「リマーケティング広告」などが一般的でした。これらはいかにも広告といった体裁をしており、ユーザーに嫌悪感を抱かれやすいというデメリットがあります。

かといって商品・サービスを紹介する際、広告であることを隠し、中立的な立場を偽って宣伝する方法は「ステルスマーケティング」と呼ばれ、不正行為に当たります。ステルスマーケテインングは企業やブランドのイメージを低下させ、広告としては逆効果を招きます。

そうした従来のネット広告の弱点をカバーする手法として登場してきたのがネイティブ広告です。ネイティブ広告では、はっきり広告であるとユーザーが認識できるよう「PR」や「広告」「プロモーション」「AD」といったクレジットを表記する必要がありますが、他のコンテンツとなじむ形で違和感なく広告を表示させることができます。

広告でありながら通常のコンテンツと同じような体裁をしているので、読者の関心を阻害することなく、さりげなく商品やサービスを訴求することが可能です。

見た目だけでなく、内容もサイト全体や他のコンテンツに合わせたものになっています。例えばスポーツ記事であれば、スポーツに関心のある層は健康志向の人が多いという仮説に基づき、サプリメントなど健康関連の広告が表示されます。

ネイティブ広告にパッと目を引くような性質はありませんが、ニュースをチェックしている最中に気になる広告が表示されれば、思わずクリックしてしまう人は多いはずです。Webマーケティングにおいては、いかにユーザーに不信感や不快感を与えずに宣伝するかが重要であり、ユーザーを自然に広告へと誘導する上でネイティブ広告は有効な手段といえるでしょう。

ネイティブ広告の種類

ネイティブ広告には様々な種類があります。以下では、米国のネット広告業界団体・IABによる分類に基づき、代表的な6種類のネイティブ広告をご紹介します。

インフィード型

インフィード型には、ニュースサイトの記事広告や、SNSのタイムラインに流れてくるプロモーション投稿、YouTubeなどの動画閲覧中に差し込まれる動画広告などが該当します。

記事広告の出稿先媒体として代表的なのが、All AboutやGIZMOODなどのキュレーションメディアです。このタイプの広告は通常のコンテンツと同じ形式で表示され、広告のリンク先もメディア内のページに位置します。

SNS広告は、TwitterやInstagram、Facebookといった代表的なSNSのほとんどで普及しています。タイムラインの中で一般的な投稿と同じ形式で表示されますが、こちらは記事広告と違い、広告をクリックすると外部のサイトに遷移します。

インフィード広告では、媒体ごとのユーザー特性に合わせて広告をデザインすることが重要です。例えば、同じSNSでもInstagramとTwitterではメインユーザーの年代や性別が異なります。効果を得るためには、どの媒体にどういった広告を打ち出すかをよく考える必要があります。

ペイドサーチ型

ペイドサーチ型で代表的なのがリスティング広告です。リスティング広告とは、あるキーワードをGoogleやYahoo!などの検索エンジンに入力した際、キーワードと連動して検索結果の上部に表示される広告のことです。「広告」と小さくクレジットが入るものの、通常の検索結果と同様のフォーマットで表示されるため、自然な見せ方ができます。

ペイドサーチ型広告の特徴は、顕在層向けに訴求できる点です。インフィード型ではターゲットを絞らずに広告を表示するため、自社の商品やサービスを知らない潜在層にも幅広くアプローチする際に適しています。一方のペイドサーチ型では、そのキーワードに関心のある層にのみ広告が表示されるため、コンバージョンに繋がりやすいのが特徴です。

なお、検索エンジンと大雑把にくくっても、GoogleとYahoo!では利用者層に少々違いがあります。例えばGoogleは比較的若年層の利用者が多いのに対し、Yahoo!は中高年のパソコンユーザーの割合が高めです。広告にかけられる予算が限られるような場合、ターゲットの属性と検索エンジンの利用者層を照らしわせて出稿先を選定した方が効率的に成果を出しやすいでしょう。

レコメンドウィジェット型

レコメンド配信サービスを活用し、レコメンド欄を有するメディアなどに広告を表示する手法です。具体的には、通常の記事の下部に「おすすめ記事」や「関連記事」として表示される記事広告を指します。

このタイプの広告は記事を最後まで読んだ人にしか見てもらえないため、他のネイティブ広告に比べて視認性に劣り、大勢へのリーチは期待できません。しかし、ユーザーの興味関心に基づいてカスタマイズした広告を表示できるため、商品・サービスの購入に繋がりやすいのが特徴です。

プロモートリスティング型

食べログ、ぐるなびなどのグルメサイトや、Amazonや楽天などのECサイトで検索した際、検索結果上部の広告枠に表示される広告を指します。性質としてはペイドサーチ型のリスティング広告に近く、関心度の高いユーザーに向けて表示できることから、コンバージョンに繋がりやすいのが特徴です。さらに、他の商品やサービスと同じ形式で表示されるため、ユーザーのストレスになりにくいというメリットがあります。

ただし、ユーザーは商品の購入やサービスの利用を目的に検索しているため、広告内容もその検索意図に沿ったものでなければなりません。広告内容がユーザーのニーズにそぐわない場合、すぐに離脱してしまう可能性があります。

ネイティブ要素を持つインアド型

ネイティブ要素を持つインアド型とは、コンテンツからは切り離された広告枠にバナー形式で表示される広告のことです。日本での導入事例はまだあまりありませんが、自社のターゲットと親和性の高いメディアに出稿すれば、通常のバナー広告よりも高い効果を期待できます。一定の期間において広告枠を買い取ることになるため、多くのユーザーに見てもらえる反面、関心の低いユーザーにも広告が表示されることがあり、コンバージョンに繋がりにくいというデメリットもあります。

この広告タイプの具体例としては、Google AdSenseをイメージすると理解しやすいでしょう。Google AdSenseでは、大手のニュースサイトから個人のブログまで最適な媒体に自動で広告を出稿してくれるので、事前のリサーチに時間をかける手間を減らすことができます。料金形態はクリック報酬型が採用されており、広告を見たユーザーがクリックするごとに広告料が発生し、そこから掲載先のメディアに報酬が支払われる仕組みです。

最高金額を設定できるため広告予算を超過する心配はありませんが、表示される広告は入札形式で決まり、人気メディアの広告枠ほど競争率が高くなります。

カスタム型

カスタム型の広告とは、ここまでに紹介した6種類のいずれにも当てはまらない広告のことです。代表例としては、LINEの企業公式スタンプなどがわかりやすいでしょう。これは、広告費を支払うことで企業オリジナルのスタンプを配信し、それをユーザーに利用してもらうことでブランディングや認知向上に繋げるものです。料金形態は定額プランと従量課金プランから選ぶことができ、予算に応じて柔軟に活用できるメリットがあります。

ほかにも、音楽ストリーミングサービスSpotifyのオーディオ広告などがカスタム型広告に分類されます。Spotifyの音声広告では、ユーザーの聴取履歴に基づいてターゲティングすることが可能です。
これらはあくまで一例であり、メディアの進化や新しいプラットフォームの登場とともに、カスタム型広告の種類も増えていくでしょう。

ネイティブ広告のメリット・デメリット

ここからは、ネイティブ広告のメリットとデメリットをそれぞれご紹介します。

ネイティブ広告のメリット

ネイティブ広告のメリットは、通常のコンテンツと同じような形式で表示されるため、自然と広告に誘導できる点にあります。バナー広告のような強い宣伝感もなく、ユーザーのコンテンツ体験を邪魔することがありません。ターゲットの関心が高いメディアに表示すれば興味を持ってもらいやすく、自社の商品・サービスを知らない潜在層に対してもアプローチすることが可能です。

また、スマートフォンやタブレット型との親和性が高いのもネイティブ広告のメリットの一つです。スマホやタブレットはパソコンよりも画面が小さく、広告枠が表示されなかったり、サイトの下部までスクロールしないと広告に行き着かなかったりします。その分、ユーザーに見てもらえる可能性が低くなります。

しかし、ネイティブ広告は記事一覧やSNSのタイムラインに混じって表示させられるので、ユーザーの目に留まりやすくなるのです。

ネイティブ広告のデメリット

デメリットとしては、広告コンテンツの作成の負担が大きいことが挙げられます。ネイティブ広告は通常のコンテンツに混じって表示するため、広告もそれらのコンテンツと同程度の体験価値を提供できる内容でなければなりません。メディアの方向性から外れた広告を作成してしまうと、ユーザーに不快感を抱かせる原因となります。

そのため、有益でクオリティの高いコンテンツを作成することが重要です。それに加え、引きの強い見出しを考えたり、効果的なサムネイルを選定したりといった工夫も求められます。

また、ネイティブ広告では顕在層に加えて潜在層もターゲットとするため、出稿してすぐに効果が出るとは限りません。効果測定の結果によっては広告内容を修正しなければならないこともあります。その度にコストも発生するため、費用対効果の見極めが肝心です。

まとめ

ネイティブ広告は、ユーザーのコンテンツ体験を損なうことなく商品やサービスをPRできる広告手法です。これからネイティブ広告の運用をお考えの際は、ローカルフォリオの「広告運用代行サービス」を活用してみませんか?複数の媒体に出稿する場合でもAIが予算配分を自動で最適化し、効果的な広告運用をサポートします。

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